学会のセッションで司会進行を行うのが「座長」と呼ばれる役割です。座長の依頼は、学会の大会長など主催側から、座長をお願いしたい人にメールで行います。しかし、座長の依頼メールの内容に何を書けばよいのか、悩むことも多いですよね。そこで今回は、学会の座長を依頼するメールの書き方を、例文とともにわかりやすく解説します。学会の座長依頼のメールを書くときのコツまず、依頼メールを書くときのコツをいくつかご紹介します。依頼内容を明確に書くまず重要なのは、今回依頼する学会の詳細を具体的に明記することです。具体的な情報を伝えることで、相手も座長を引き受けるかの回答がしやすくなります。特に学会の日時や場所、開催方法(現地開催・オンライン開催・ハイブリッド開催)、参加登録費用などの情報を明記しておかないと、のちのちお互いの認識に齟齬が生まれてトラブルになってしまう可能性もあります。そのためにも、学会の背景や内容、趣旨などをいろいろと書いてしまうと、大切な情報が埋もれてしまいます。あくまでも依頼内容の情報をわかりやすく書くようにしましょう。情報をシンプルに伝えるためのメールの内容と順序は、下記のとおりです。上記①~⑩の内容の詳細は後述します。学会開催日までに余裕をもって送るメールを送るタイミングにも気を付けましょう。学会の開催日が確定したら、できるだけ余裕をもったタイミングで依頼メールを送ります。なぜなら、学会の開催日が近くなったタイミングで依頼メールを送っても、すでに相手の予定が埋まっている可能性が高いためです。特に普段から講演会などをよく行っていたり、地方や海外に出ていることが多かったりする相手だと、直前の依頼では断られてしまう確率が上がります。そうなると、また別の人を探さなければなりません。タイミングとしては、学会開催の少なくとも1ヶ月前まで。さらに余裕をもって2ヶ月前くらいまでにメールを送れるとベストです。また、学会の日程は確定したものの、まだプログラムなどの詳細が決まっていないこともあるでしょう。そのような場合でも、取り急ぎ日程だけ先に送って座長対応の可否だけ打診しておき、後日学会の詳細をあらためて共有する方法もあります。さらに、メールの回答期限も余裕をもった日に設定しましょう。回答期限を、メール送付の翌日や数日後など差し迫った期限日にしてしまうと、相手もゆっくり考えることができず焦ってしまいます。7~10日間ほどを目安に、余裕をもった期日にしましょう。メールの件名をわかりやすくするメールの件名をシンプルでわかりやすくするのも重要です。座長を依頼する相手は、1日に何十件、何百件とメールを受信している可能性があります。わかりにくい件名のメールを送ってしまうと、目に留まらずスルーされてしまうかもしれません。メール受信ボックスに並んだ件名だけ見て、何のお願いのメールなのか一目瞭然にするのが大切です。例えば下記のような件名は避けましょう。▼悪い例この件名だと、送信元は誰なのかはわかりますが、それ以外の情報が何もありません。学会の座長依頼メールであることがわからないので、重要ではないと判断されてしまいがちです。では反対に良い例を見てみましょう。▼良い例この件名の良い点としては、まず一目で学会の日時、何の学会なのか、さらに座長を依頼したい旨であることがすぐにわかることです。このようにタイトルに学会の具体的な日付と学会名を明記しておくことで、受信ボックスのなかでも目につきやすくなります。加えて「座長」というキーワードを入れておくことで、座長の依頼メールであることがわかるだけではなく、相手があとで受信メールのなかから検索する際にも楽に見つけ出せます。参加登録料についても明記する参加登録料についても必ず明記します。座長を引き受ける場合、座長でも参加者と同じく参加登録料を支払うことがほとんどです。座長でも参加登録料を支払うこと、さらに登録料はいくらなのか具体的な金額を明記します。座長は参加登録料が無料になる、もしくは謝礼がもらえると勘違いされてしまうと、のちにトラブルになりがちです。依頼メールの時点で認識を合わせておきましょう。学会の座長依頼のメールの文面例上記のコツを踏まえて、実際に座長を依頼するメールの書き方を解説します。依頼メールの構造と文面例は下記のとおりです。あくまでも一例なので、相手との関係性に合わせてニュアンスは適宜調整してください。上記の例のように、まずメールを送った目的↓依頼する学会の詳細(箇条書きだとわかりやすい)↓参加登録料と回答期限の流れにすると、メールを受け取った相手も内容を把握しやすくなります。上記の文面例を1つにまとめるとこうなります。件名:【2022/8/25(木)日本〇〇学術大会】座長のご依頼〇〇大学(大学名)〇〇先生(個人名+先生)いつもお世話になっております。日本〇〇学会学術大会 大会長の〇〇です。本日は〇〇先生に、今年の夏に開催する学術大会のセッションの座長のお願いをしたく、ご連絡させていただきました。2022年8月25日(木)に、「第〇回日本〇〇学術大会」の開催を予定しております。今年はZoomを使用したオンライン開催になります。そのなかで、〇〇(プログラム名)の座長をお願いできますでしょうか。当日お願いする内容は、プログラムの司会進行とタイムキーパーです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【学会詳細】・学会名:「第〇回日本〇〇学術大会」・場所:オンライン開催(Zoomを使用、ご自宅や大学などご都合のよい場所からご参加ください)・日時:2022年8月25日(木)・参加者:約〇〇名・学会公式Webサイト:〇〇【プログラム詳細】・プログラム名:〇〇・日時:2022年8月25日(木)12時~13時ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーまた、恐縮ですが座長の方にも参加登録をお願いしております。参加登録料はおひとり〇〇円です。お忙しい中大変恐縮ですが、〇月〇日(〇)までにこのメールに返信いただく形でお返事をいただけますでしょうか。ご検討の程、何卒よろしくお願いいたします。「座長のお願い」には、当日の座長の役割(司会進行、発表者の紹介、タイムキーパー、質問受付など)も記しましょう。具体的な役割の内容や当日の細かい動き、オンラインツールの使い方などまでは書かなくてOKです。これらの詳細は、後日あらためて座長マニュアルにまとめて送ります。依頼メールの段階では、どのような役割を頼みたいかだけ伝えましょう。「学会の情報」には、開催場所(現地開催かオンライン開催か)も必ず書いておきましょう。オンライン開催の場合は、各自の場所から自分のパソコンで参加する形式だけではなく、どこか一ヵ所に座長が集まり、そこからオンライン参加してもらう形式もあるので、どちらの形式なのかも書いておくと親切です。学会の座長依頼メールはコツをつかめば簡単これらのコツを守り、項目を順番通り書いていけば、座長の依頼メール作成は難しくありません。どのような学会なのか、当日何をすればよいのかを明確に書き、相手が返答しやすい依頼メールを送りましょう。「らくらくカンファレンス」なら学会の運営負担が減らせる!学会の運営では、今回ご紹介した座長依頼の他にもやるべきことがたくさんあります。そこで「らくらくカンファレンス」がおすすめです。らくらくカンファレンスなら、会期前:参加費の決済や演題登録会期中:要旨検索、デジタルポスターの掲載、演題ごとのコメント機能、演題の審査や投票会期後:アーカイブ動画の配信など、学会の会期前から会期後まで、さまざまな準備がシステム上で一括で行えます。これにより、運営負担も軽減します。学会の開催予定がある方は、ぜひらくらくカンファレンスをチェックしてみてください。詳しくはこちら▼らくらくカンファレンス|現役研究者が監修!学会を支えるワンストップシステム