学会参加費は決して安くはない出費です。さらに現地に向かうとなると、交通費や宿泊費、懇親会費などもかかります。そもそも学会参加費の項目には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。またこれらの費用はすべて経費申請できるのでしょうか。本記事では、学会参加費の項目や、経費申請の可否や方法などを解説します。学会参加費の項目学会参加費とは、学会に参加するために支払う参加費を指しますが、なかには学会会場に行くまでの交通費や現地での宿泊費も含めて、学会参加費とよぶこともあります。学会参加費の主な項目を解説します。学会参加費いわゆる学会に参加するための参加費用です。学会によっては、参加者の属性によって参加費の金額を変えていることが多いです。参加者には学生や会員、非会員、名誉会員などさまざまな属性があるので、参加する際は自分の属性の金額をチェックしましょう。懇親会費学会のあとや中盤に懇親会が開かれる場合は、参加費とは別に懇親会費がかかります。懇親会費は学会参加費に含まれていることもあります。交通費(渡航費)学会参加にかかる費用のなかでも、特に金額が大きいのが交通費(渡航費)です。学会会場までの移動には往復交通費がかかります。海外で開催される国際学会であれば、飛行機での渡航費も必要です。宿泊費学会会場が自宅から遠方の場合は、会場近くで宿泊する際の宿泊費もかかります。学会参加費の消費税について学会参加費に消費税がかかるかどうかは、状況によります。国税庁のホームページによると、そもそも消費税の定義は、国内において事業者が事業として対価を得て行われる取引に課税されるとあります。参照:No.6113 「対価を得て行われる」の意義|国税庁つまり学会参加費においても、参加費を払って学会に参加することで個人的な対価(利益)を得る場合は課税され、対価を得ない場合は非課税になります。この対価についての考え方は学会によって異なります。参加者の属性が会員か非会員かで変わることも。参加する学会の公式Webサイトで、必ず消費税の有無について確認しておきましょう。さらに学会後に懇親会が開催される場合は、懇親会参加費に消費税がかかるのが一般的です。ちなみに、学会の入会費や年会費といった会費に関わる費用は不課税です。学会参加費の経費申請について学会参加費は、経費として申請できる場合があります。学会や大学によって経費として認められる項目が変わる場合もありますが、基本的に学会参加費やそれに伴う交通費、宿泊費などは、業務や研究に必要であると判断され、経費として申請できます。注意すべきは、学会参加に合わせてプライベートの旅行も一緒に行うパターンです。せっかく学会に参加するから、現地で学会の前後に観光もする……といったこともあるかもしれません。この場合は、学会に関係ない交通費や宿泊費、食費などはすべて経費としては認められないので注意しましょう。例えば、学会参加における現地までの往復の交通費と、学会のために泊まる日程の宿泊費は経費になります。しかし学会後延泊して現地を観光する場合、延泊分は私用扱いになるので経費では申請できません。ちなみに申請する際の勘定項目としては、学会参加費は「研修費」として仕訳されるのが一般的です。給与所得者の特定支出控除について学会参加費の自己負担額が高額になるとき、場合によっては給与所得者の特定支出控除を受けられます。給与所得者の特定支出控除の対象となる項目は、・通勤費・旅費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費および勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費など)です。すべて職務上必要な費用に限ります。ここで注意すべきは「研修費」です。研修費として給与所得者の特定支出控除を受けられるかどうかは、自分が学会の参加者か、もしくは発表者なのかによって変わります。自分が学会の参加者であれば、学会参加費を研修費扱いにして、特定支出控除を受けられます。自分が参加者である際の研修費について、国税庁のホームページでは、下記のとおり記載があります。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーここでいう「研修費」について、研修とは、通常第三者が自己の有する技術又は知識を不特定多数の者に習得させることを目的として開設した講座等において、その第三者から訓練又は講習等を受けることによりその技術又は知識を習得するといった受動的立場での研修をいうものと解されます。したがって、自身の研究発表のために学会に参加し、旅費及び宿泊費を自己負担しても、「研修費」として特定支出控除の対象とはなりません。参照:学会参加費用の特定支出控除の適用可否|国税庁ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつまり、自分が学会の参加者であれば、学会は学会発表者である第三者の技術や知識を習得する場になるので、研修費扱いになり特定支出控除の対象になります。反対に、自分が学会の発表者であれば上記には当てはまらず、研修費として特定支出控除の対象にはなりません。学会参加費を抑えるには、オンライン参加という方法もこのように、学会参加費は内容によっては経費申請できますが、経費として認められない場合もあります。しかし学会の開催場所によっては、どうしても現地までの往復交通費や宿泊費がかさんでしまうもの。そこで、学会参加費を大幅に削減する方法として、オンライン参加があります。現地開催(オフライン開催)のみの学会であれば難しいですが、学会によってはオンラインで参加できることも。また、オンラインのみで開催する学会だけではなく、現地開催とオンライン開催両方を行うハイブリッド学会もあります。学会の開催地に足を運ぶ必要がなく、オンラインで自宅や大学、研究室などから参加できれば、学会参加費はかかるものの、現地までの往復交通費や宿泊費は一切不要です。これらの費用が一切かからないだけではなく、現地まで行く時間も削減できるので、仕事や家庭の都合で長時間の移動が難しい状況でも、学会に参加できるメリットもあります。関連記事:オンライン学会(WEB学会)の開催方法とは?|オンラインならではの特徴や利点など関連記事:学会のハイブリッド開催|現地とオンラインのいいとこ取りの方法まとめ学会参加費は、交通費や宿泊費なども含めると決して安いとはいえません。しかし貴重な研究成果発表の場であり、他の研究者とも知り合えるため大きな価値があります。そこで、現地に向かうのはもちろん良いですが、オンライン学会やハイブリッド学会でオンライン参加をして費用削減するのも一案です。「らくらくカンファレンス」は、現地開催の学会からオンライン学会、ハイブリッド学会まで、学会の効率的な運営をサポートするシステムです。学会運営を効率化したい運営の方はぜひチェックしてください。詳しくはこちら▼らくらくカンファレンス|学会のポスター発表や交流を徹底サポート