学会の運営で 「演題登録から当日の受付まで、紙とExcelで管理してきたけれど限界」 といったご相談を、らくらくカンファレンスでも多くいただきます。学会受付システム(演題登録システム)を導入することで、これらの業務をオンラインで一元化でき、事務局の作業負担を軽減できます。本記事では、主要な学会受付システムを 機能・料金・対応形態 の3軸で比較し、自分の学会に合うシステムを選ぶための指針をまとめました。この記事を読むとわかること「学会システム」と呼ばれるものの2分類と、本記事の対象範囲学会受付システムが網羅すべき5機能と、その判断ポイント主要システム5社の比較表規模・形態別のおすすめ受付システム選定でよくある失敗2パターン0. 前提整理 — 本記事の対象は「学術集会運営システム」「学会システム」というキーワードは検索ボリュームが多いものの、実は2種類のシステムを指します。最初に整理しておくと、自分が必要としているシステムを正しく選べます。分類主な機能検討タイミング会員管理システム会員名簿・会費・刊行物管理学会組織の通年運営学術集会運営システム(本記事の対象)演題登録・査読・参加登録・配信・受付大会・学術集会の開催ごと一般に「学会システム」というキーワードで検討されるのは、多くの場合 学術集会(=大会)の運営を効率化する「学術集会運営システム」 です。本記事もこのカテゴリーを扱います。会員名簿の通年管理が目的の場合は会員管理システムを別途検討ください。1. 「学会受付システム」とは — カバーする業務範囲一般に「学会システム」と呼ばれるものは大きく2種類(①会員管理システム ②学術集会運営システム)に分かれます。本記事の「学会受付システム」は ②学術集会運営システムの中で、受付業務を起点に運用が広がる機能領域を扱います。「学会受付システム」は、学会の事務局業務を オンラインで一元管理するソフトウェア です。製品によってカバー範囲は異なりますが、本記事では以下の5機能を比較軸として扱います(製品により対応・非対応が分かれ、すべての製品が5機能をフルセットで備えるわけではありません)。5つの主要機能機能内容ホームページ作成学会公式サイトのテンプレート提供・開催情報掲載・モバイル対応演題登録(抄録投稿)発表したい研究の演題・抄録をオンラインで受付査読投稿された演題の査読者割り当て・採択・通知参加登録・決済参加申込・領収書発行・参加証発行オンライン公開・配信web抄録・オンデマンド配信・ライブ配信重要なポイント: 5機能をフルセットで備えたシステムだけではなく、製品によっては「演題登録特化」「ホームページ作成特化」のような形で、特定機能に強みを持つものもあります。2. 学会受付システムを選ぶ前に整理すべき4つの判断軸比較表を見る前に、自分の学会の前提を整理しましょう。2-1. 開催形態現地のみ/オンラインのみ/ハイブリッドで、必要な機能が変わります。現地中心: 受付・名札発行データの出力・当日決済オンライン: 配信・チャット・オンデマンド視聴ハイブリッド: 上記の両方を統合できるシステム2-2. 演題数の規模規模必要な機能の特徴100演題以下標準機能で十分。CSV書き出しがあれば運用は回る100〜500演題査読の効率的な管理が必要500演題超査読の効率的な管理・カスタマイズ対応・大容量データ処理が必要2-3. 査読の複雑さ単純な「採択/不採択」のみ → 査読機能を備える多くのシステムで対応(査読機能を持たないシステムもあるため事前確認が必要)複数査読者の評価集計 → 査読特化機能が必要修正依頼・再投稿のフロー → 高度な査読システムが必要2-4. 参加者数と当日受付の規模参加者100名と3,000名では受付オペレーションがまるで違います。QRコード対応・名札発行データの出力・当日参加申込のフローを事前に確認3. 主要学会受付システム5社の比較表国内で広く使われる主要5システムを、機能カバー範囲と特徴で整理しました(2026年時点・各社公式サイト掲載情報をもとに作成。最新仕様は各社へ要確認)。システム名演題登録査読参加登録・決済オンライン公開・配信ホームページ作成主な特徴らくらくカンファレンス◎◎◎◎×小規模から大規模まで様々な規模に対応Confit◎◎◎◎○演題登録・査読・プログラム編成を統合Convention Connect◎◎◎◎○無料プランありAWARD 2.0◎×◎○◎HP作成・参加登録/決済(クレカ・銀振)・動画データ掲載に対応SMART Conference◎◎◎○◎ホームページ作成・オンライン会議会場機能・日程表/抄録自動生成注:◎=主力機能(明示的に強みとして打ち出している領域) / ○=対応 / ×=非対応料金は公開情報だけでは比較しにくいため、個別に見積もりを取得して確認が必要本表は学術集会の受付・運営に対応するシステムに絞って整理会員管理特化型のシステム(年会費・会員サイト中心)は本記事の対象外4. 規模・形態別のおすすめシステム選び4-1. 100演題以下の小規模研究会重視ポイント: シンプル操作・低コスト・標準機能の充実機能の多さよりも「使いこなせる」ものを優先演題登録・参加管理の基本2機能があればOK(100演題以下では査読機能なしでも運用できる場合があります)4-2. 100〜500演題の中規模学会重視ポイント: 査読(必須)・抄録集の自動生成(検討レベル)査読割り当ての管理機能抄録集(紙・PDF)の自動レイアウト演題発表のセッション割当の支援機能4-3. 500演題超・大型学会重視ポイント: 高負荷対応・カスタマイズ同時接続数の上限が十分かカスタマイズ開発の対応可否4-4. オンライン・ハイブリッド開催重視ポイント: 配信品質・インタラクション・オンデマンド化配信の安定性参加者のチャット・Q&A・投票機能オンライン配信の録画をオンデマンド公開する場合の対応範囲5. 機能別の選び方ポイント1章で挙げた主要5機能ごとに、選ぶ際に確認すべきポイントを整理します。5-1. 演題登録(抄録投稿)抄録のフォーマット(テキスト・図表・PDFアップロード)自動受付確認メール演題情報のCSV書き出し5-2. 査読査読割り当ての管理機能の有無複数査読者の評価集計採択通知機能の有無5-3. 参加登録・決済QRコードチェックイン名札の現地発券・事前ダウンロード領収書・参加証明書発行5-4. オンライン公開・配信配信プラットフォームの統合か外部(Zoom等)連携か同時接続数の上限オンデマンド配信化の対応範囲5-5. ホームページ作成学会公式サイトのテンプレート提供開催情報・タイムテーブル掲載スマートフォン対応6. 受付システム選定でよくある失敗2パターン失敗1: 「機能が多い」だけで選んでしまう実際には使わない機能が多ければ、UI複雑化で運営の負担になります。必要最低限の機能 をリスト化し、それを満たす範囲で操作が簡単なものを選びましょう。失敗2: 当日のサポート体制を確認していない開催当日のトラブルこそ最重要。「電話対応の時間帯」「障害発生時の対応速度」を 契約前に確認 しましょう。7. 導入の流れ(一般的なステップ)実際にシステムを導入する場合のおおまかなステップです。要件整理(開催形態・演題数・予算)候補3〜5社に資料請求デモ・画面確認見積もり比較契約・初期設定テスト運用・本番開催演題登録開始日から逆算し、選定〜契約〜本番までの工程を踏まえて早めに着手するのが安心です。各ステップに必要な期間は学会規模・社内体制によって変動するため、余裕を持って計画しましょう。8. まとめ — 学会受付システム選びのチェックリスト最後に、判断のチェックリストを整理します。事前に整理する4項目[ ] 開催形態(現地/オンライン/ハイブリッド)[ ] 演題数の規模(100以下/100〜500/500超)[ ] 参加者数の規模[ ] システム費用の予算上限比較するときの4項目[ ] 5機能の網羅性(演題登録/査読/参加登録・決済/オンライン公開・配信/ホームページ作成)[ ] 自分の規模での導入実績の有無[ ] 当日のサポート体制[ ] 継続利用時の契約条件・過去データの扱い最終判断のポイント[ ] 事務局メンバーがデモで操作を理解できるか[ ] 障害時の対応が契約書に明文化されているか[ ] カスタマイズ開発の対応範囲学会受付システムの導入をご検討中の方へ「らくらくカンファレンス」は、演題登録・抄録・査読・参加登録・決済・配信を一元管理できる学会システムです。規模や形態に応じたプランをご提案します。関連記事演題登録システムの選び方と機能比較学会受付システムの機能とは|システム導入のメリットや選ぶポイント学会の抄録とは|書き方と注意点を解説執筆者情報