「学会システムを導入したいけれど、どれを選べば良いか分からない」という大会長・事務局担当者は多くいます。一般に「学会システム」と呼ばれるものの大半は、学術集会(=大会)の運営を効率化する「学術集会運営システム」 を指します。本記事もこのカテゴリーを扱います。学術集会運営システムは10社以上が提供しており、それぞれ得意分野や対応規模が異なります。本記事では、目的別に最適な6システム を厳選し、強みと向いている学会のタイプを整理しました。「最強の1社」ではなく 「自分の学会に合う1社」 を見つけるためのガイドです。この記事を読むとわかること「学会システム」と呼ばれるものの2分類(会員管理 / 学術集会運営)学術集会運営システムを選ぶ前に決めるべき3つの軸目的別おすすめ6システムの強みと弱み規模別・形態別の推奨パターン導入後によくある後悔ポイント0. 前提整理 — 「学会システム」と呼ばれるものの2分類「学会システム」というキーワードは検索ボリュームが多いものの、実は2種類のシステムを指します。最初に違いを整理しておきましょう。分類主な機能検討タイミング会員管理システム会員名簿・会費・刊行物管理学会組織の通年運営学術集会運営システム(本記事の対象)演題登録・査読・参加登録・配信・受付大会・学術集会の開催ごと本記事のおすすめは「学術集会運営システム」(=大会運営)です。会員管理機能は対象外です。1. 学会システムを選ぶ前に決めるべき3つの軸学会システムは「全ての要件を満たす最強の1社」が存在するわけではありません。自分の学会のニーズに合わせて選ぶことが大切です。軸1: 開催形態現地中心型完全オンラインハイブリッド型(最も機能要件が複雑)軸2: 規模〜300名: 小規模研究会300〜1,500名: 中規模学会1,500名超: 大型・国際学会軸3: 業務範囲演題管理だけ(査読も含む)演題+受付演題+受付+配信(フル機能)演題+受付+配信+会員管理(継続学会向け)2. 学会システムおすすめ6選ここから具体的なおすすめシステムを紹介します。比較しやすいよう、各社の特徴と向いている学会タイプを整理しました。2-1. らくらくカンファレンス特徴:演題登録から参加登録・査読・オンデマンド配信まで一元管理できる学会システム。250以上の学会で導入実績あり。こんな学会向き:オンライン・ハイブリッド・現地いずれの開催形態にも対応したい配信プラットフォームと一体運用したい 主な機能:演題登録/参加登録/査読/オンデマンド配信/参加証発行 料金:学会単位(要見積もり) 公式サイト: https://raku-con.com/2-2. Confit特徴: 学会向けの統合プラットフォーム。複数機能を組み合わせて運用可能。 こんな学会向き:演題査読フローを効率化したいプログラム編成・オンライン公開まで一括で運用したい主な機能: 演題登録/参加登録/査読/プログラム編成/オンライン公開 料金: 学会単位(要見積もり) 公式サイト: https://about-confit.atlas.jp/2-3. Convention Connect特徴: 学会向けの統合システム。ホームページ作成から参加登録まで対応。 こんな学会向き:学会ホームページの作成も含めて一括依頼したい演題登録・査読・参加証発行を1つのシステムで完結させたい主な機能:ホームページ作成/演題登録/参加登録/査読/参加証発行 料金: 要見積もり 公式サイト: https://connect.c-cloud.co.jp/2-4. AWARD 2.0特徴:演題管理と会員管理を1つのシステムで扱える。 こんな学会向き:演題のプログラム編成・要旨集作成までシステム内で完結させたい会員管理機能も併せて使いたい主な機能: 演題登録/参加登録/プログラム編成/要旨集作成/会員管理 料金:学会単位(要見積もり) 公式サイト: https://award-con.com/2-5. 学会バンク特徴: 演題管理・抄録PDF作成・参加証発行を統合した学会システム。 こんな学会向き:抄録PDFの自動生成機能を重視したい演題プログラム作成から会員管理まで1つのシステムで使いたい主な機能:演題登録/参加登録/演題プログラム作成/抄録PDF作成/参加証発行/会員管理 料金:要見積もり 公式サイト:https://gkb.jp/2-6. SMART Conference特徴: ホームページ作成からプログラム・日程表・抄録自動生成まで対応する統合システム。 こんな学会向き:学会ホームページ・日程表・抄録自動生成までまとめて運用したいプログラム一覧の自動生成を重視したい主な機能: ホームページ作成/演題登録/参加登録/査読/参加証発行/プログラム一覧・日程表・抄録自動生成 料金:要見積もり 公式サイト: https://site.smartconf.jp/3. 演題登録特化型(参考): UMIN医学・医療系の学会では、東京大学医学部附属病院が運営する UMIN(University hospital Medical Information Network) の演題登録システムが広く使われています。特徴: 演題登録・抄録収集に機能を絞った、低価格な公的サービス。受付・決済・配信機能は持たないため、参加受付や決済は別のシステム or 手作業で補う必要があります。こんな学会向き:医学・医療系の学会で演題登録だけを安価に運用したい参加受付・決済は事務局側で別途対応する前提で組める注意点:学会運営の業務をオンラインで完結させたい場合は、UMINを使うことで「演題登録以外の業務を別システムや手作業で補う」設計が必要になります。逆に、UMINを使うために「演題登録以外の機能」を持つシステムを別途探す、という選び方の学会もあります。公式サイト: https://www.umin.ac.jp/4. 規模別に確認したいポイント〜300名の小規模研究会確認したい機能: 演題管理・参加登録・(必要に応じて)オンライン配信小規模なら 演題管理と参加登録に絞ったプラン で十分対応可能なケースが多くあります。月額数万円〜数十万円の予算で運用できるシステムも存在するため、配信機能の要否で選択肢を絞り込みましょう。300〜1,500名の中規模学会確認したい機能:演題管理・査読フロー・参加登録・配信(ハイブリッド時)・参加証発行このゾーンは 機能・料金・サポート体制を3社以上で比較するのが定石。ハイブリッド開催時の現地スタッフ派遣・配信機材レンタルの範囲も見積取得時に確認しましょう。1,500名超の大型学会確認したい機能:同時接続数の上限・カスタマイズ性・複数年契約割引・国際対応大型学会は 同時接続数・カスタマイズ性・国際対応 が判断軸。複数年契約での割引交渉や、過去の同規模学会での実績件数の確認も重要です。5. 開催形態別のチェックポイント各システムは現地・オンライン・ハイブリッドのいずれにも対応していますが、形態によってチェックすべき機能は異なります。現地中心当日受付の効率(QRコード・名札印刷)プログラムの配布形態(紙・電子・両方)演題プログラムの自動生成領収書発行・参加証明書発行完全オンラインライブ配信の同時接続数の上限演題発表のオンデマンド化(後日視聴可能か)セッション間移動のスムーズさ同時通訳・字幕対応(国際学会)ハイブリッド現地と配信のタイムラグ最小化現地参加者のチャット参加導線(QRコード等)質疑応答の現地・オンライン両方からの受付録画・配信権の管理6. 業務範囲別に確認したいポイント実態として「演題管理だけ」で運用する学会は稀です。参加申込・決済(受付)機能と組み合わせるのが一般的で、参加者が一定数を超える学会ではほぼ必須となります。例外的に、演題登録だけ別システムで運用する場合は、医療系学会で広く使われる UMIN(東京大学医学部附属病院運営、低価格)を選び、参加受付・決済は別途対応するパターンがあります。業務範囲確認したいシステム機能演題+受付QRコード受付・名札印刷の連動・決済方法の柔軟性演題+受付+配信配信プラットフォームの統合度・同時接続数演題+受付+配信+会員管理通年データの引き継ぎ・会員サイトとの連動7. 導入後によくある後悔ポイント実際に学会システムを導入してから「失敗した」と感じる典型例を5つ整理しました。後悔1: 機能過多で使いこなせない「便利そうだから」と多機能なシステムを選ぶと、事務局メンバーが操作を覚えきれず、結局Excelに戻る場合があります。必要な機能を絞って、操作が直感的なシステムを選ぶのが鍵です。後悔2: 当日サポートが不足オンライン・ハイブリッド開催で配信障害が発生したとき、「メールで翌営業日対応」では学会が止まります。土日対応・電話対応の有無を契約前に必ず確認してください。後悔3: 料金の内訳が不透明「学会単位で◯◯万円」と提示されても、配信時間・同時接続数・録画保存などのオプション料金が後から積み上がるケースがあります。見積もり時に「全部込み」の総額を確認しましょう。後悔4: 過去データの引き継ぎが大変(会員管理機能を使う場合)学会の会員管理機能まで併せて使う場合、別システムに乗り換える際に過去の会員データ・演題データの移行が大きな手間になります。学術集会運営機能だけを使う場合は、毎回の学会ごとに単体運用するのが一般的で、データ移行は発生しないことが多いです。会員管理機能まで含めて使う場合のみ、長期視点でのシステム選定を検討しましょう。後悔5: 海外参加者への対応不足国際学会では多言語対応・タイムゾーン管理・海外決済が必要です。国内学会前提のシステムでは海外参加者の体験が損なわれるケースがあります。8. 選定スケジュールの目安学会開催の 6〜10ヶ月前 から動き出すのが理想です。8〜10ヶ月前: 要件整理、3〜5社に資料請求6〜7ヶ月前: デモ・トライアル、見積もり比較5〜6ヶ月前: 契約・初期設定開始6ヶ月前くらいから: 演題募集開始(学会によって異なる)3〜5ヶ月前: テスト運用、事務局トレーニング・査読フロー稼働演題募集の開始時期は学会の規模・分野によって異なります。早い学会では1年前から、小規模研究会では3ヶ月前から募集する場合もあります。9. まとめ — 自分の学会に合う1社の見つけ方学会システムに「すべての学会で最強の1社」はありません。「自分の学会のニーズに最も合う1社」 を選ぶことが成功の鍵です。最終チェックリスト:[ ] 開催形態(現地/オンライン/ハイブリッド)を決定済み[ ] 規模(〜300/300〜1,500/1,500超)を想定済み[ ] 業務範囲(演題のみ/演題+受付/フル機能)を整理済み[ ] 3社以上に資料請求+デモ実施[ ] 当日サポート体制を契約書で確認[ ] 料金の全項目を見積もり比較[ ] 過去事例(自分の規模・分野での実績)を確認学会システムを比較検討中の方へ「らくらくカンファレンス」は、現地開催からオンデマンド配信まで、さまざまな開催形態に対応した学会システムです。250学会以上の導入実績で、小規模から大規模までさまざまな規模の学会に対応していますので、お気軽にご相談ください。関連記事学会運営の費用|現地・オンライン・ハイブリッド比較学会のハイブリッド開催方法