学会を効率良く進行するためには、時間管理(タイムキーピング)は欠かせません。せっかくの貴重な学会なので、発表者がしっかり最後まで発表を終えられるように時間管理を行いたいですよね。今回は学会の運営者向けに、学会の時間管理のポイントや、時間管理に便利なタイマーツールをご紹介します。学会の時間管理(タイムキーピング)のポイントまず学会を滞りなく進行するための、時間管理のポイントを3つ解説します。進行表を事前に共有しておくまず学会当日より前に、スタッフや運営チーム、発表者に当日の進行表を共有しておきましょう。参加者からの演題登録を締め切って採否確定するのが、だいたい学会開催日の3ヶ月前です。演題が確定して当日のプログラムを作成したら、進行表も作成できます。進行表には、例えば「冒頭で趣旨の説明に〇分、口頭発表は1人〇分、そのあと質疑応答の時間〇分」のように、当日の流れとそれぞれの時間の目安をまとめておきます。学会運営のスケジュールについては、下記記事も参考にしてください。関連記事:オンライン学会(WEB学会)の運営方法は?スケジュールや円滑に行うポイント関連記事:学会の運営方法とおすすめスケジュール!現地開催やハイブリッド開催版も残り時間が少なくなったら知らせる学会当日の発表中は、運営側が発表者に残り時間を知らせられるとベターです。発表者本人は、限られた時間のなか発表に集中しているので、どうしても残り時間を確認しづらい状況です。いくら事前に進行表を共有していても、話が長くなってしまう方もいるでしょう。そこで、例えば残り時間があと5分になったタイミングで、運営スタッフが「残りあと5分です」と口頭やチャットでお知らせできると良いでしょう。もしくは、タイマーツールでベル機能が付いているものもあるので、5分前にベルを鳴らすなど音でお知らせする方法もあります。タイマーツールに関して詳しくは後述します。どのお知らせ方法でも、発表前に、「残り〇分になったら、この方法でスタッフが合図します」という旨を発表者に伝えて、発表中に驚くことのないようにしておきましょう。残り時間は常に見える場所に表示させる発表の冒頭から、残り時間を見やすい場所に常に表示しておけると安心です。発表の終了時間が迫っていることだけではなく、自分の持ち時間のうち今どのくらいまで進んでいるかを、発表者が随時確認できます。時間の表示方法は、見やすいタイマーや時計をステージ近くに置いておく方法があります。オンライン発表なら、タイマーツールで画面のどこかにタイマーを表示させるのがわかりやすく便利です。オンライン上でタイマーを表示する方法の1つとして、Zoomを使う学会なら「OBS Studio」を使えます。OBS StudioでZoom上にタイマーを表示できる「OBS Studio(以下OBS)」とは、さまざまなオンラインツールで使える無料のソフトです。OBSとは「Open Broadcaster Software」の略です。パソコンにOBSをインストールし、そこにタイマーツールを読み込むことで、Zoomの画面上にタイマーを表示できるようになります。まず公式サイトでOBS Studioをインストールしておきます。インストールは無料です。▼「OBS Studio」のダウンロードはこちらOBS StudioOBSとは別に、取り込むタイマーツールも選んでダウンロードしておきましょう。取り込めるタイマーツールについて詳しくは後述します。OBSのブラウザにタイマーツールのURLを入力して取り込んだら、「仮想カメラ開始」をクリックします。あとはZoomを立ち上げて、Zoom上でカメラの選択リストから「OBS Virtual Camera(仮想カメラのこと)」を選び、ZoomのカメラをONにすればOKです。仮想カメラによって、Zoomの参加者一覧にタイマーが表示されます。学会のタイマーとして使えるオンラインツール・アプリ6選学会では、タイマーツールを使うことで効率的に時間の管理ができます。ここでは、学会のタイマーとして使えるオンラインツールやアプリケーションをいくつかピックアップしてご紹介します。それぞれダウンロードしたり、OBSでZoomに取り込んだりして使います。なかにはフリーダウンロードできるように公開している個人作成ツールもあるので、ダウンロードや使用は自己判断でお願いします。Time Keeper「Time Keeper」は、シンプルなタイマーツールです。インストールせずに使えますが、ダウンロードしておけばインターネット環境がない場所でも使えて便利です。アラーム時間は3つまで設定できます。Time Keeperの特徴は、何といってもシンプルな画面表示で、誰にでも使いやすいことです。時刻が大きく表示され、その上部にスタートボタンや一時停止ボタンがあるシンプルなレイアウトで、初めての方でも直感的に使えます。文字が大きく見やすいので、オンライン学会だけではなく、現地開催の学会で画面上に大きく表示しておくのにも良さそうです。▼「Time Keeper」のダウンロードはこちらTime Keeperプレゼンテーション用タイマー「プレゼンテーション用タイマー」はJavaScriptで作られたタイマーです。こちらも、あらかじめダウンロードしておけばオフライン環境でも使用できます。特徴はカウントダウン表示のわかりやすさです。残り時間が時刻表示と一緒にアナログ時計の絵でも表示されるので、パッと見て残り時間を把握しやすいです。カウントダウン時刻と時計の下には、今が何の時間かわかるように説明文(「発表〇分」など)も表示できます。アラームを鳴らしたい時間はあらかじめ3つまで設定でき、アラームのベルの鳴る回数は、1回目のアラームでジリリ、2回目のアラームでジリジリ……と変わるので、耳だけで判断しやすい仕様になっています。▼「プレゼンテーション用タイマー」のダウンロードはこちらプレゼンテーション用タイマー学会たいま~ 座長の友「学会たいま~ 座長の友」は、学会や発表会などでの時間管理のために作られたタイマーツールです。時間経過が大きく表示されるので、視認性が高くわかりやすいです。ベルを鳴らす時間のタイマー設定は秒単位ではできず、分単位のみです。例えば「残り1分30秒でベルを鳴らしたい」のように、秒単位でタイマー設定したい方は注意しましょう。▼「学会たいま~ 座長の友」のダウンロードはこちら学会たいま~ 座長の友プレゼンタイマー「プレゼンタイマー」は、スマートフォンとiPadだけで使用できるタイマーアプリです。基本画面は大きく時間が表示されているだけでシンプル。余計な情報がないので時間をすぐに確認できます。特徴は、残り時間をお知らせするベルのわかりやすさです。1回の発表につき3回までベルを鳴らす時間を設定でき、ベルが鳴るごとに表示されている時刻の色が変わるので視覚的にもわかりやすいです。もちろんあらかじめ設定するだけではなく、手動でベルを鳴らすこともできます。▼「プレゼンタイマー」のダウンロードはこちら(スマートフォン・iPadのみ)プレゼンタイマー(App Store)プレゼンタイマー(Google Play)Meeting Timer, Agenda Timer & Clock Countdown「Meeting Timer, Agenda Timer & Clock Countdown」は、Zoomで使えるタイマーツールです。Zoom ミーティングだけではなく、学会で使用頻度の高いZoom ウェビナーでも使えます。アプリをインストールして、さらに前述のOBSも別途インストールして設定します。そのあとZoomにタイマーツールを招待すると、画面上に時刻を表示できます。▼「Meeting Timer, Agenda Timer & Clock Countdown」のダウンロードはこちらMeeting Timer, Agenda Timer & Clock CountdownTimer「Timer」もZoomで使えるタイマーです。これもZoom ミーティングとZoom ウェビナーで使用可能です。タイマーの時間を細かく設定でき、5分から30分まで5分単位で増やせます。タイマーは最長で100分まで設定できるので、長めの学会の発表でも問題なく使えます。カウントダウンの時刻はZoomの参加者が映っている顔の上にも表示でき、発表者の顔を見ながら時間も一緒に確認しやすいのも利点です。▼「Timer」のダウンロードはこちらTimer学会のタイマーにあるとより便利な機能最後に、学会のタイマーツールにあるとさらに便利な機能をいくつかご紹介します。ツールを選ぶときの参考にしてみてください。別途アプリをインストールする必要がないアプリケーションをインストールする必要がないツールもあります。ツールのURLさえわかれば、WebブラウザでURLにアクセスするだけでタイマーを使えるので便利です。面倒な事前のインストール作業がいらないので、準備工数が減り、思い立ったときにすぐ使えます。パソコンやスマートフォンの容量が増えて動作が重くなるのも防げます。ただしインターネット環境がないとつながらないので、オフライン環境でツールを使用したければツールをあらかじめダウンロードしておきましょう。オフラインでも使えるあらかじめダウンロードしておけるタイマーツールなら、インターネット環境のないオフラインでも使えます。学会の開催会場にインターネット環境がない場合や、場所を選ばず発表練習したい場合にも、オフラインでタイマーが使えて便利です。あらかじめ指定した残り時間にお知らせが鳴る残り3分など、あらかじめ時間を指定しておくと自動でお知らせされるツールも重宝します。時間がくるとベルやアラームが鳴ったり、時刻の色が変わったりして発表者に残り時間が少ないことをわかりやすく知らせます。ツールによってはお知らせ時間が1回だけではなく、2回や3回などに分けて知らせられるものもあります。「残り10分」「残り5分」のように少しずつ残り時間を知らせられるので、より時間経過がわかりやすいです。手動で好きなタイミングでベルを鳴らせるものもあるので、用途に合わせて使いやすいほうを選びましょう。「らくらくカンファレンス」なら1つのシステムで学会運営をサポートスムーズな学会の進行には、今回ご紹介したような時間管理が欠かせません。学会準備には当日の時間管理だけではなく、学会当日までの事前準備や、学会後の動画のオンデマンド配信や精算など、運営でやるべきタスクがたくさんあります。そこで、これらの運営タスクをスムーズに行うなら、「らくらくカンファレンス」がおすすめです。登録から会期当日、会期後まですべてのタスクを1つのシステムで一貫して行えます。詳しくはこちら▼らくらくカンファレンス|学会運営に必要な工程を、一元管理できるシステムでサポート