これから初めてオンラインで学会を開催する方は、現地開催との違いやオンラインならではの注意点など、懸念点も多いですよね。今回はそのような方のために、オンライン学会(WEB学会)の開催についてわかりやすく解説します。オンライン学会(WEB学会)とは?オンライン学会(WEB学会)とは、学会の開催場所をインターネット上に移行し、配信形式で開催する学会です。Zoomなどのオンライン会議ツールを使用し、発表者も参加者も皆オンライン上で参加します。質疑応答や議論などは、基本的にオンライン会議ツールのチャット機能を使ってテキストでやりとりします。ポスター掲示は、現地開催のように印刷されたものを掲示するのではなく、PDFやpptxデータをデジタルポスターにして、オンライン上で閲覧します。参考:オンライン学会(WEB学会)でポスター発表をするには?|ポイントや注意点を解説オンライン学会(WEB学会)の開催方法オンライン学会の開催方法は、映像配信の有無で2パターンに分けられます。学会の状況や準備に充てられる時間、発表内容などによって開催方法を選びましょう。映像配信ありまずは映像配信がある開催方法です。映像の配信の方法も2つあります。ライブ配信ライブ配信は、リアルタイムで映像を配信する方法です。生配信なので最新情報を伝えられ、直前や発表中に話す内容を変更もできます。また参加者とコミュニケーションや議論がしやすいのもメリットです。一方リアルタイムであるがゆえに、時間管理が重要です。さらに映像が途切れる、音声が聞こえないなどの配信トラブルのリスクもあるので注意しましょう。録画済みの映像を配信事前に録画済みの映像を、当日学会の時間に配信する方法もあります。各演題の抄録(しょうろく)画面に、事前に録画しておいた発表の映像のリンクを貼っておき、参加者は観たいものを閲覧します。生配信ではなく事前にあらかじめ録画をするので、間違いがあっても撮り直しができ、当日の時間配分も気にしなくてOKです。映像は録画されたものですが、学会中は発表者や研究者もオンライン上にいて、リアルタイムで質疑応答のコメントを受け付けることもあります。映像配信なしそもそも映像配信が難しければ、映像配信なしでのオンライン学会も可能です。映像はありませんが、抄録やデジタルポスターをオンライン上で公開しておき、当日参加者に閲覧してもらいます。オンライン学会(WEB学会)開催のメリットオンライン学会を開催するメリットを4つご紹介します。コストと時間の大幅な削減大きなメリットは、コストや時間を大きく削減できることです。学会をオンラインで開催すると、現地まで足を運ぶ必要がありません。発表者・参加者・関係者たちの現地までの交通費と移動時間は不要です。もちろん会場費もかかりません。さらにインターネット環境さえあればどこからでも参加できるので、遠方や海外にいる方も気軽に参加できます。「気になる演題だったけれど遠くに住んでいるから行けない……」といった悩みも解消できるかもしれません。介護や育児など、家庭の事情でなかなか現地にいけない方も参加しやすくなります。このように参加のハードルが下がることで、参加者の多様化にもつながります。遠方在住で毎回参加できない人がいる一方で、毎回参加できる人が同じになるなど、メンバーが偏って固定化することも避けられます。気軽にコミュニケーションが取れる発表者と参加者が気軽にコミュニケーションを取れるのもメリットです。コメントやチャット機能でテキストでの質疑応答ができるので、参加者によっては現地開催よりも気軽に質問や発言がしやすくなります。現地開催だと質問者に注目が集まってしまうので緊張してしまう方も、コメントやチャットなら文字だけで簡潔に済むので、質問するハードルが下がるかもしれません。会場のキャパシティを気にしなくていい会場の収容人数のキャパシティを気にしなくていいのもポイントです。現地開催なら、会場に何人まで入れられるか、席順はどうするかを気にしなくてはいけません。開催規模に見合った会場を手配するのも大変です。その点オンライン学会なら、参加者の上限など気にせず多くの参加者を集められます。座席数を気にしなくていいのは、オンライン開催ならではですね。ちなみに、学会で使用するオンライン会議ツールによっては、オンラインでも参加人数に上限があることも。参加人数の上限は事前に確認しましょう。録画して映像を残しておけるオンライン会議ツールによっては録画機能もあり、これを利用すれば録画した映像をあとで閲覧できるのも利点です。このようにアーカイブで発表を残しておくことで、当日どうしても都合がつかない参加者も、あとで好きなタイミングで閲覧できます。発表者も自分の発表内容を振り返ることが可能です。また、現地開催だと気になる演題の時間が被ってしまうこともあります。しかしアーカイブに残しておけば、時間の被りを気にせず興味がある発表をすべて閲覧できます。オンライン学会(WEB学会)開催の注意点次に、オンライン学会開催の注意点も見ていきましょう。インターネット回線のトラブルが起こりえるオンラインでの学会開催では、インターネット回線のトラブルに備えることが大切です。安定したインターネット環境を確保しておかないと、肝心の発表中に配信が遅くなったりフリーズしたり、音声が聞こえなくなるなどのトラブルが起こる可能性があります。必ず安定したインターネット回線と、大人数の視聴にも耐えられるオンライン会議ツールを準備しておきましょう。オンライン会議ツールの参加トラブルもあるオンライン会議ツールのトラブルも考えられます。参加者がオンライン会議ツールの使い方に慣れていないと、うまく参加できない、参加URLに入れない、などが起こりえます。オンライン学会開催のお知らせメールには、当日の参加URLとともに、URLからどのように参加するかフローをわかりやすく周知しておきましょう。参加URLにパスワードを設定していたら忘れずに共有しておきます。参加者の様子が見えづらいオンライン開催にすることで、どうしても参加者の反応を把握しづらくなります。現地開催なら、発表中にも目の前に参加者がいるので、聞いている間の生の反応(うなずく、相槌、表情の変化など)が発表者にもよくわかります。しかしオンライン上だと、画面上に表示されるのも参加者の一部だけだったり、発表者以外は全員ミュートだったりするので、空気感が伝わりづらくなります。発表していても本当に今聞いてもらえているのか、内容は理解してもらえているのかが把握しづらくなるので、不安に感じる発表者もいるかもしれません。発表後に深い交流がしづらい発表後に会場に残って、他の人たちと交流を楽しめないのもデメリットです。現地開催なら、発表が終わったあとも会場に残って、その場にいる参加者と意見を交換しあったり、他の発表者や研究者とも知り合ったりできます。その点オンライン学会だと、学会が終わると時間通りにオンライン配信も終わってしまうことが多く、余白の時間が設けにくいです。より議論や知見を深めたり、新たな人脈を築きづらかったりするのは、オンラインならではのマイナスポイントです。ハイブリッド開催という方法もあるメリットも多いオンライン学会ですが、やはり現地開催ならではのメリットもあります。そこで「ハイブリッド開催」という方法もあります。ハイブリッド開催とは、オンラインと現地の両方で同時に開催する方法です。オンライン開催の利点だけではなく、現地開催ならではの利点も得られます。例えばオンライン参加に不安がある方や、現地で他の参加者と直接議論したりコミュニケーションを取ったりしたい方なら、現地開催で参加したほうが良いでしょう。世の中の状況によっては、学会の開催直前で現地開催が厳しくなってしまうことが考えられます。その点ハイブリッド開催なら、学会開催直前でオンラインのみへ開催を切り替えることも可能です。開催場所が増えることで準備や人員確保のコストは増えますが、場合によってはオンラインのみではなくこのような方法もあります。参考:学会のハイブリッド開催|現地とオンラインのいいとこ取りの方法学会を開催するなら「らくらくカンファレンス」がおすすめオンライン含め、学会の開催なら「らくらくカンファレンス」の利用がおすすめです。現役の研究者が監修した開催システムで、学会をスムーズに準備・進行できる機能を多く備えています。例えば、発表中のコミュニケーションを円滑にする工夫が満載。チャット機能で気軽に質疑応答できるだけではなく、映像付きのビデオ通話機能でお互いの顔や動きを見ながらコミュニケーションも取れます。オンライン学会であれば、場所を選ばず参加できながら、現地開催のように生に近い交流やポスターセッションが実現できるのが魅力です。さらに、参加登録・演題登録から、当日の発表、会期後のオンデマンド配信まで一括管理。忙しい運営者の負担コストを下げられます。詳しくはこちら▼らくらくカンファレンス|現役研究者が監修した学会の開催システム