2021年の冬に行われた、第50回日本免疫学会学術集会。ハイブリッド開催されたこの学会で「ONLINE CONF(オンライン カンフ)(現:らくらくカンファレンス)」が使われました。今までの学会で感じていた課題点と、ONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を導入したことによる利点とは。この学会で会長を務められた、筑波大学の渋谷 彰(しぶや あきら)先生にお話を伺いました。日本免疫学会の50周年記念大会でONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を使用――ONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を導入いただいた今回の学会について、簡単に教えてください。第50回日本免疫学会学術集会という、国内外から免疫学研究者が集まって研究成果を発表する会です。年に1度行われており、今回は2021年の12月8日から10日までの3日間、奈良県にある奈良春日野(かすがの)国際フォーラムで開催しました。日本免疫学会は2020年に発足から50年を迎え、今回はその記念すべき会でした。まだ新型コロナウイルス感染症流行の最中だったので、現地とオンライン両方を合わせたハイブリッド開催にしました。参加者数は合計1,600名ほどです。参考サイト:第50回日本免疫学会学術集会見たい発表の時間が被ってしまうという課題点――今まで学会を開催されてきたなかで、課題に感じていた点はありましたか?特に気になっていた課題は2つあり、・諸々の事情(育児などの家庭の事情、業務、経済的事情など)で、参加したくても参加が困難な研究者・参加したいセッションの時間の重複です。1つ目は、例えばちょうど子育て中の研究者の方は、どうしても会場まで行って参加して帰ってくるという、まとまった時間が取りづらくなりますよね。実家や保育園などにお子さんを預けて、急いで学会に参加して少しだけ聴いて帰ってくる……という方もいました。しかしそれだと、発表内容をしっかり聴いたりディスカッションに参加したりするのは難しかったんです。また、臨床の先生方は診療を休めなかったり、研究費が必ずしも充分でなく経済的に参加が困難な若手研究者がいたりすることも事実です。2つ目は、発表の時間被りです。学会ではどうしても、複数のセミナーやワークショップなどが同じ時間に並行して開催されます。ですから1つのセミナーに参加すると、同じ時間にやっている他の発表には必然的に参加できなくなる。どうしても聴きたい発表がちょうど被ってしまった場合、どちらか選ばなければいけません。知りたかった情報が得られないのは、しょうがないとはいえ残念ですよね。コロナ禍で急遽ハイブリッド開催に――なるほど、たしかに物理的な要因はどうしてもありますよね。そういった課題を感じるなか、こうしてONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を導入してハイブリッド開催したのにはどのような経緯があったのでしょうか?やはり大きなきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大ですね。本当は参加者が直接集まる現地開催にしたかったのですが、思いのほかパンデミックが長引きそうだったので、急遽ハイブリッド開催に決めたんです。開催まで時間もないなか、早急に使うシステムを決める必要があったんですよね。そこでONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)に即決しました。というのも、2020年の11月に行った東京理科大学と筑波大学の合同リトリートで、すでにONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を使用していたんです。そこで今回も使うことにしましたね。――即決されたんですね。今回の学会で実際にはONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)のどのような機能を使われましたか?学会の前の準備段階では、参加者の申し込み受付・参加費の事前オンライン決済や演題の登録です。当日は、現地での発表をZoomウェビナーを使ってオンラインに配信する形式で行ったので、Zoomウェビナーに入室する導線をONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)上につくりました。ポスターセッションについては、あらかじめONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)にポスターのPDFデータと、任意で発表動画をアップロードしておき、いつでも見られるようにし、ディスカッションはONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)に搭載されているビデオ通話機能(「意見交流場」)を使いました。あとはオンライン上でタイムテーブルや要旨を閲覧・検索できるようにしたり、協賛企業を紹介したりしました。学会が終了したあとは、Zoomクラウドで録画した当日の発表映像への導線を、ONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)に掲載してオンデマンド配信しました。学会終了後、だいたい一ヵ月ほどはオンデマンド配信が見られるようにしておきましたね。オンデマンド配信で、見逃した発表も見られるように――実際にONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を使ってみて、良かった点を教えていただけますか?まずはオンラインにしたことで、現地開催だけよりももっと多くの参加者の方が参加しやすくなったことですね。先ほどお伝えしたような子育て中の方や海外など遠方に住まわれている方も、オンラインで参加しやすくなったのが良かったです。――オンラインならではですね。そうですね。このようにオンラインからの参加が可能になったことで、海外からの講演者の招待にかかるコストも削減できました。シンポジウムの場合、海外から講演者を招待することも多く、日本滞在中の宿泊費や往復の交通費を負担しなければなりません。1回につき何十人も招待することもあり、コスト面では非常に大きな負担でした。それがオンライン参加できるようになったことで大幅に削減できたのは、ハイブリッド開催を実際にしてみてわかったメリットでしたね。――参加者と運営側、双方にとって大きなメリットがあったんですね。ちなみにポスターセッションはいかがでしたか?ポスターセッションをオンライン掲示にしたのも結果的に良かったですね。ポスターも文字が見切れたり見づらかったりせずに見やすかったです。椅子に座って落ち着いた状態でじっくり閲覧できました。▲ ONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)内のポスターページのイメージ画像(当時)ポスターセッションについてもっと言えば、オンライン掲示にしたことで物理的にポスターを貼るスペースが不要になったので、小さな会場で済んだんですよ。会場のレンタル費用は決して安くはないので、会場費の削減になったのもONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)を導入したメリットの1つですね。――ポスターをオンライン掲示にすることで思わぬメリットもあったんですね……!他に何かありますか?あと良かったのは、オンデマンド配信です。先ほどもお話したとおり、学会を現地開催する課題点の1つに、見たい発表の時間が被ってしまう点があります。それがONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)でオンデマンド配信を残したことで、学会終了後に他の発表を見られた。さらに、閲覧数データを共有してもらえたのも助かりましたね。演題それぞれの閲覧数を、学会終了後にONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)側からもらえたのですが、演題ごとに実際に何人に見られたのかが数字で明確になりました。結果的にオンデマンド配信には19,000ほどもページビューがあったので、これはやって良かったなと思いました。▲ 閲覧数共有データ(一部加工しています)オンラインでも気軽にポスター発表者と話せるとベスト――ありがとうございます。最後に、今後のONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)に期待されることはありますか?そうですね……個人的にはやはり学会は、オンラインではなく現地開催できるのがベストだと思うんです。例えばポスターが掲示してあるエリアをうろうろ歩いて、何となく気になった発表をふらっと覗いて、そこで発表者とディスカッションできるとか。そういう、気軽にポスター発表を覗けるのが現地開催の面白さだと思うので、それがオンライン開催でも再現できると良いですね。今のONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)のポスター発表だと、どうしてもビデオ通話に入室するハードルが高くなっちゃう。1つのポスターを見終わって次のポスターに行くのに、ポスター一覧ページに一度戻ってから次に見たいポスターを選択しないといけない。(※1)さらにせっかくビデオ通話に入室しても、発表者がたまたま離席していて誰もいない、もしくは誰も聴きにこなくて発表者が1人で待ちぼうけになる……ということが起こりうる。(※2)ビデオ通話への入退室がもっとワンアクションでスムーズにでき、気軽に中に入って発表者と話せると、もっとやりやすいのかなと思います。【編集部注】※1 ワンクリックで隣のポスターにすぐ移動できる仕様になっています。※2 ポスターの閲覧者を意見交流場に誘える機能をお使いいただけます。また現在は、意見交流場の発表者の在室状況が入室前にわかる機能を搭載しています。(インタビューはここまで)ONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)でオンライン配信のメリットを活かした学会開催を「ONLINE CONF(オンライン カンフ)(現:らくらくカンファレンス)」を導入し、現地開催にオンライン配信を加えることで、時間の重複を気にせず発表を閲覧できます。さらに自宅でゆっくり落ち着いて見られるのも、オンライン配信だからこそのメリットです。現地開催だけでは来られなかった方々の参加率も上がるかもしれません。学会のオンラインやハイブリッド開催なら、演題や参加登録から会期後のオンデマンド配信まで、ONLINE CONF(現:らくらくカンファレンス)が豊富な機能で徹底サポート!運営負荷を減らしながらオンラインやハイブリッド開催をしたい方は、ぜひチェックしてみてください。詳しくはこちら▼らくらくカンファレンス|現役研究者が監修した学会運営を支えるワンストップシステム(取材・文 = 俵谷千尋)